はじめてのドリップコーヒー。
豆・器具・手順の案内
「コーヒーを家で淹れてみたいけれど、何から手をつければいいか分からない」という声はよく聞きます。道具も豆の種類も多く、選ぶ前に立ち止まってしまう人は少なくありません。このガイドでは、ペーパードリップで最初の一杯を淹れるまでに必要なことを、順番にまとめました。
広告: 本記事には広告リンクを含みます。価格・在庫・条件はリンク先の公式ページでご確認ください。
ペーパードリップから始める理由
コーヒーの抽出方法にはエスプレッソ、フレンチプレス、サイフォン、エアロプレスなど多くの選択肢がありますが、家で初めて淹れるならペーパードリップが選びやすいと思います。
道具が比較的手に入りやすく、豆量・湯量・お湯の温度という3つの変数だけを意識すれば、一杯の輪郭が見えてきます。エスプレッソはマシンの圧力管理が必要で、フレンチプレスは粉が残るなど、慣れるまでのクセがあります。ペーパードリップはそれと比べると、失敗の原因を探りやすい入り口です。最初の一杯は、たいてい思い描いた味にはなりません。えぐみが立っていたり、驚くほど薄かったり……。それでも、どこを変えればこの味が動くのかを探る時間は、思いのほか楽しいものです。
最初の器具をそろえる費用の目安は数千円程度ですが、製品や購入先によって大きく異なります。購入前に各ショップの公式ページで最新の価格と在庫をご確認ください。
豆を選ぶとき、まず焙煎度だけ決める
豆を選ぶ際には産地・品種・精製方法など多くの情報が目に入りますが、最初は焙煎度だけで選んでも十分です。
- 浅煎り(ライト〜シナモンロースト)
- 酸味が立ち、フルーティーな風味が出やすい。産地の個性を前面に感じられる反面、苦味が少ないぶん酸味を強く感じる人もいます。
- 中煎り(ミディアム〜シティロースト)
- 酸味と苦味のバランスが取れた、幅広い人に受け入れられやすい焙煎度。入門として最も選びやすく、迷ったらここから始めるといいでしょう。
- 深煎り(フルシティ〜イタリアンロースト)
- 苦味とコクが強く、産地の個性より焙煎の香りが前面に出る。喫茶店のブレンドや缶コーヒーに近い味わいを好む人に向いています。
はじめての豆は、中煎りのブレンドかシングルオリジン(単一産地)を試すと、悩みが少なくなります。豆の価格や在庫は変動するため、購入前に各ショップの公式ページをご確認ください。
最初にそろえる3点
ペーパードリップに必要な器具は、多くの場合3点で始められます。
-
1. ドリッパー(フィルター付き)
プラスチック製の台形型(カリタ式など。メーカー自身は「扇型」と呼び、底に三つ穴が開いています)は入手しやすく、扱いやすいため入門向けとして定番です。円錐形(ハリオV60など)もありますが、このガイドでは入手しやすい台形型を最初の一つとして勧めます。円錐形は慣れてから試しても遅くはありません。フィルターはドリッパーの形状に合わせたものを用意してください。
-
2. ドリップケトル(細口)
お湯を細くコントロールして注ぐため、細口のドリップポットが必要です。普通のやかんでも淹れられますが、注ぐ量の安定が難しくなります。温度調節機能付きのものは湯温管理が楽になりますが、なければ、沸騰したお湯を常温のポットに移し替える方法で代用できます。AGF の解説では、この移し替えで90℃前後になるとしています。
-
3. デジタルスケール(1g単位)
計量スプーンでも代用できますが、豆の種類によって密度が違うため、グラム単位で量ると毎回同じ条件を再現しやすくなります。料理用のスケールで十分です。
各製品の価格・在庫は変動します。購入の際は各ショップの公式ページで最新情報をご確認ください。
一杯を淹れる手順
基本的な比率と手順です。一杯(140〜160ml)を基準にしています。メーカー各社の目安もこのあたりです。
| 豆の量 | 約10〜12g(一杯分) |
| お湯の量 | 140〜160ml |
| お湯の温度 | 90〜96℃程度(沸騰したお湯を少し落ち着かせる) |
| 挽き目 | 中細挽き〜中挽き(グラニュー糖くらい) |
- フィルターをドリッパーにセットし、お湯を回しかけて温める。
フィルターの紙臭さが取れ、受けカップも温まります。湯は捨ててから次へ。 - 豆(粉)をフィルターに入れ、表面をならす。
- 蒸らし:中央から外側へ、20〜30mlのお湯をゆっくり注ぐ。30秒待つ。
粉全体を湿らせる程度で。湯をふくんでふっくらと持ち上がってくるのを見ると、いつも少し声が出ます。この段階で粉が膨らむのは炭酸ガスが抜けているためで、焙煎したてに近い豆ほど膨らみが大きくなります。 - 2回目以降は「の」の字を描くように中央から外へ向かって注ぐ。
フィルターの側面に直接当てないように。50〜80mlずつ、合計量になるまで数回に分けて。 - お湯が全部落ちる前にドリッパーを外す。
最後まで落とし切ると、えぐみが出やすくなります。
飲んでみて、味を合わせる
最初から好みの味に当たることは少ないので、飲んで感じたことをもとに一つずつ変えてみてください。複数の変数を同時に変えると、どれが効いたのか判断しにくくなります。
挽き目を粗くするか、お湯の温度を少し下げる(90℃前後)。豆の量を1〜2g減らすのも有効です。
挽き目を少し細かくするか、お湯の温度を少し上げる(95℃前後)。注ぐ速度を落として抽出時間を伸ばす方法もあります。
深煎りのブレンドから浅〜中煎りのシングルオリジン(単一産地豆)に変えてみてください。産地ごとの風味の違いが分かりやすくなります。
コーヒーの好みは、飲むタイミングや体調によっても変わります。毎回同じ条件で淹れながら、少しずつ調整していくことが、自分の一杯に近づく方法です。
カフェインが気になる場合の選択肢
胃腸への影響が気になる、夜でも飲みたい、妊娠中・授乳中でカフェインを控えているなど、さまざまな理由でコーヒーを避けていた方には、カフェインレス(デカフェ)の豆という選択肢があります。
カフェインレス豆は、加工の方法によってカフェインが大幅に除去されたものです。業界の表示ルールでは、カフェインを九割以上取り除いたものを「カフェインレスコーヒー」「デカフェ」と表示すると定められており、「ノンカフェイン(ゼロ)」とは区別されています。含有量や表示は商品によって異なるため、購入前に各商品の公式ページでご確認ください。
国内では大手コーヒーメーカーや通販サイトで種類が増えており、以前より入手しやすくなっています。豆の選び方も淹れ方も、通常のコーヒーと同じです。
ドリップコーヒーは、器具がそろえば今日から始められます。最初の一杯は「うまく淹れる」よりも「一度やってみる」でいい。肩の力が抜けたところから、たぶん始まります。飲んでみてから調整する、その繰り返しで少しずつ自分好みの一杯に近づいていきます。
豆や器具の通販については、トップページのおうちで、カフェ気分。も参考にしてください。